電気自動車、太陽光発電、そしてV2H(Vehicle to Home)。エネルギーの自給自足を楽しむお客さまの事例紹介。
1.EV(電気自動車)はセカンドカーとして最適
すっきりしたソーラーパネル一体型の屋根。玄関前に植えられたシマトネリコが涼やかに揺れる瀟洒なお宅。築11年のKさま邸は富士市にあります。ゆったりとしたカーポートには、セカンドカーとしてご利用されている軽のEV(電気自動車)がとまっています。お客さまによるとEVはガソリン車に比べてトルクが大きく扱いやすいとのこと。もちろん振動や騒音もなく、奥さまも近所の買い物等で重宝されているそうです。
2.アフターFIT対策を探して
そんなお客さまは、FIT(固定価格買い取り制度)の期間満了に伴い、太陽光で発電した電気を有効活用する方法を探しておられました。固定型の蓄電池はまだ高く、現状ではまだコスト的に納得感がない。研究心旺盛なお客さまは、当然のようにV2H(Vehicle to Home)に目を付けました。3.太陽光発電+V2Hはこれからの住宅のスタンダード
V2Hとは、EVやPHVなど蓄電池をもつ自動車に蓄えた電力を、家庭用に利用する技術です。例えば、安価な深夜電力でEVに充電し、日中のピーク時は家でEVの電気を使うことができます。また、太陽光発電の余剰分をEVに蓄えておくことで、エネルギーを無駄なく効率的に使うことができます。4.エネルギーの自給自足 災害対策にも効果
V2Hを実現するには、家庭で使用する交流電気とEVの蓄電池の直流電気を変換するEVパワーコンディショナが必要となります。今回お客さまの目にとまったのは東光高岳社の小型EVパワーコンディショナ(SmanecoV2H)。この製品は電気事業者の配電系統に連系せず、単独で運転する方式をとっており、停電時の非常用電源としても活用することができます。この日は東光高岳社のエンジニアの方の立ち合いのもと、TEPCOホームテック提携店の吉原中央電業社がV2Hの施工を行いました。
カーポートにEVパワーコンディショナを設置
基礎の上にしっかり固定
分電盤増設工事
朝から開始した工事は夕方に完了。EVパワーコンディショナは小型ですっきりとしたデザインのため、お庭の雰囲気を壊すこともありません。
通常の操作方法だけでなく、停電時にEVから家へ給電する際の起動手順もしっかりご理解いただきました。
EVパワーコンディショナ設置完了
試運転後、操作方法をご説明
液晶パネル
停電時を想定し、EVのシガーソケットとつないでEVパワーコンディショナを起動
日本の家庭におけるエネルギー消費量は石油危機以降約2倍に増加し、全体の15%程を占めています。政府は「快適な室内環境」と「年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下」を実現するため、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)と呼ばれる住宅の普及を推進しています。家庭におけるエネルギーの自給自足は重要なキーワードとなっています。
これからの戸建て住宅のスタンダードになりうる太陽光発電+V2H。未来を少し先取りしたお客さまの笑顔が印象的でした。