1.はじめに
前回の「検証してみました」第2弾では実験を通じて、新製品であるおひさまエコキュートは夜型エコキュートに比べて、消費電力量の面において効率がいいかどうかについて検証しました(前回の内容はこちら)。
実は、太陽光発電システムを導入する場合、自家消費率を高めることが太陽光で発電した電気を効率的に使うポイントになります。
前回も登場したエネカリで太陽光発電システムとエコキュートを導入した3邸の2022年1月~6月半年間の実験データを見ながら、今回は自家消費率の面から検証してみました。
2. 太陽光発電の活用には自家消費率を高めよう
太陽光で発電した電気のうち、自家消費できなかった余剰分は電力会社に売ることが可能です。
一見お得のように見えますが、実はその売電単価が年々下がっています。また、電力会社から購入する電気(買電)に賦課される再生可能エネルギー発電促進賦課金は年々上がり続けており、今後電気料金がさらに上昇していく可能性もあります。
※1 2022年度の売電単価。
※2 東京電力エナジーパートナーのスタンダードプランの従量料金単価。 小数点以下四捨五入。
買電単価>売電単価の時代において、余った電気を安い単価で売るよりも、太陽光で作った電気をできるだけ多く自宅で使ったほうが、買う電気が少なくなりお得になってきています。
自家消費率を高める方法はお客さまのご使用状況によっていろいろ工夫できますが、蓄電池、エコキュートなどを合わせて導入し、太陽光発電でつくった電気を上手に使うことも方法の一つです。
では、実際太陽光発電とエコキュートを導入された3邸のデータを見ていきましょう。
3.昼・夜稼働時の自家消費率の検証結果
実験方法は第2弾の時と同じです。(詳しくはこちら)
エコキュートが昼稼働と夜稼働の時に、3邸の太陽光発電の自家消費率をまとめました。
3邸に導入されたエコキュートの容量や、電気のご使用状況はそれぞれ異なりますので、あくまで参考数値になりますが、全体の傾向としては、太陽光の容量が1.48kWで一番小さいK邸の自家消費率が高いことがわかります。容量が小さい分、発電された電気をきちんと使用しているので、自家消費率が高いです。
さらに、エコキュートが夜稼働の時と昼稼働の時で太陽光の自家消費率を比較すると、例えば、K邸の場合、最も差が小さいところで夜稼働が76%、昼稼働が89%、最も差が大きいところで夜稼働が63%、昼稼働が91%と、明らかに昼稼働の時のほうが大きくなっています。ほかの2邸においても同じ傾向です。
つまり、おひさまエコキュートは日中太陽光が発電した電気でお湯を沸かすので、夜に稼働する通常の夜型のエコキュートに比べて、自家消費率を高める機器として有効であるということが言えます。
4.まとめ
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光を中心とした再生可能エネルギーを大量導入していくことが必要ですが、様々な現実課題にぶつかっています。
太陽光を導入したご家庭には、太陽光で発電された電気をより多く使い、安定的に自家消費率を高めていくことで、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
おひさまエコキュートは太陽光発電と組み合わせることで、太陽光で発電した電気でお湯を沸かせるので、自家消費率を上げることができ、省エネにもつながります。
また、おひさまエコキュートと相性のいい電気料金プランもございますので、うまく組み合わせることによって、光熱費の低減にもつながります。
まだ新製品で、実際導入された方にご感想を伺うことが難しいですので、今回の検証結果で興味のある方に少しでも参考になれば幸いです。
お客さまのお宅の状況、ライフスタイルなどによって、おすすめの省エネ設備の組み合わせが異なります。弊社では現地調査の後、お客さまの状況に合わせて最適なご提案させていただいておりますので、気軽にお問い合わせください。